年4回の定例議会と7〜8月に開かれる臨時議会の概要を報告します。
「民報かこがわ」で詳しく報告しますので、そちらもぜひ、ご覧下さい。
介護にかかわる幅広い団体、個人から批判の声があげられてきた介護保険改悪法が成立しました。軽度の利用者のサービスをとりあげ、施設利用者の負担増という内容は、高齢者の生活保障どころか「いのち」の保障も厳しくするものです。「持続可能な制度の構築」のための改正とするが、本質的には介護保険制度は、そもそも、だれのために、なんのためにあるのか、高齢者の自立と介護サービスとの関係をどうとらえるかという問題が問われます。
政府は日医総連が島根県の一部地域で行った調査(対象7878人)を根拠に「ヘルパーの家事代行は本人の自立を妨げる」「サービス過剰で状態は悪化している」と説明し続けました。ところが、衆議院厚生労働委員会で日本共産党の山口富男議員が提出させた厚労省「介護給付費実態調査報告」(対象138万6200人)によると、1年間在宅サービスを利用した要介護1の人の8割が「維持、改善」していることが明らかになり、サービス取り上げの最大の根拠が崩れました。厚労省のデータ隠しが問われる事態が起こりました。
予防サービスの目玉「筋力トレーニング」の効果も疑問がもたれています。昨年度全国69市町村でモデル事業が実施されましたが、厚労省はその結果の提出を渋りました。やっとだされた「中間報告」によると筋力トレーニングをおこなった人の16,3%は状態「悪化」とされています。項目別では「体の痛み」や「心の健康」の項目で悪化した人は3割にものぼります。さらに「鼻血がでた」「風邪をこじらせた」「入院した」など筋力トレーニングで体調をくずす例が各地で続出していました。
国と自治体が高齢者の健康増進を支援し、予防を推進することは当然ですが、この度の新予防給付導入は真剣に予防を考えたものでなく、軽度の利用者にたいする給付制限を目的にしているといわざるを得ません。前代未聞の24にも及ぶ付帯決議がつけられ問題だらけの法案が、自民党、公明党、民主党の賛成で成立しました。今後は自治体や現場での取り組みが重要になってきます。
(1)居住費、食費の負担軽減措置について
施設利用者の居住費(ホテルコスト)、食費が保険給付からはずされ、全額自己負担となります。ショートステイの居住費と食費、デイサービスの食費も負担増となります。10月からの実施です。その負担に耐えられない場合は施設介護からはじき飛ばされ在宅介護に戻らざるを得ません。家族介護力の低下、頼る家族がない独居、老老世帯が増え、行き先のない高齢者が増加するものと予想されます。また通所サービスも、食費を自己負担化し利用を抑制することは在宅の高齢者の食事の保障を乏しくするだけでなく、外出の機会や入浴の機会も減るなど、身体の清潔をはじめ高齢者の健康にも影響がでることが予測されます。
まずおたずねします。マスコミなどによってホテルコストなど負担が増えることは伝えられていますが、加古川市として利用者、家族など入居時の保証人に対する制度変更の説明はなされたのでしょうか。利用者負担額については、利用者にたいする説明と同意を得なければならないとされています。事業者まかせにせず自治体のとりくみが必要であると考えますが、いかがでしょうか。
次に、政府はきわめて不十分な低所得者対策を設定しました。このほど加古川市も対象者に「介護保険負担限度額認定申請書」を送付し9月5日までの申請書の提出を求めました。対象者のすべてが細かく書かれた内容を理解できるとはかぎりません。申請のない対象者に対してのフォローはされるでしょうか。
また、高齢者夫婦世帯で一方が入所した場合、食費、居住費の二重負担が生じます。結果、在宅の配偶者の生活が困難にならないような配慮がなされているのでしょうか。
(2)地域包括支援センターの準備状況について
地域における総合的なマネジメントを担う中核機関として「地域包括支援センター」が創設されます。概ね人口2〜3万人に1箇所が目安とされていますが、運営主体、職員体制、設置時期など準備状況をおたずねします。
職員体制については、特に、自治体保健師を安易に配置換えすることはないでしょうか。もしそうであれば、本来の介護予防をもたらす成人への「疾病予防」を低下させ、結局要介護認定者は急増し、保険料の引き上げ、介護保険会計の圧迫、また国民健康保険会計にも影響を与えることとなります。また、児童虐待が大きな社会問題となっています。虐待死亡児の4割が0歳時期に発生しています。保健師の大きな役割、母子保健による児童虐待予防が手薄となり乳児の命にかかわることにもなります。対応をお聞きいたします。
次に、地域包括支援センターは公正、中立性が確保されなければなりません。各センターの運営状況について定期的な報告を求め、必要な対応に意見を述べ、関係機関との連携を図る運営協議会の設置が必要となります。運営協議会についての検討状況をおたずねいたします。
(3)第1号保険料の段階設定について
「介護保険料を滞納している、払えない。差し押さえすると言ってきている。介護保険など使わんから払わなくてもよいか」こんな相談がありました。みれば滞納額は3万円あまりです。介護保険制度は保険料を納めないと様々なペナルティがあり、2年間納めなければ時効が生じさかのぼって納めることができません。その結果、利用料の1割負担が3割負担にもなります。市民は現在県下で2番に高い保険料を払っています。制度の維持が低所得者を苦しめています。制度から市民を閉め出してはなりません。 制度改正で現行第2段階に年金80万円以下の人を対象にした新2段階を創設するとしていますが、誰もが払えるよう段階設定について加古川市はどう検討されたのでしょう。方針をお聞きします。
次に、税制改正の影響により、収入金額が変わらなくても市民税非課税層から、課税層へ移行する人が生じます。この人たちへの対応はどう検討されているでしょうか。また、世帯非課税の人が、税制改正により本人非課税のままではあるが、世帯の誰かが課税になったため段階が移行する人も生じるでしょう。きめ細かな対応がもとめられますが、段階設定のあり方について加古川市の方針を聞かせてください。
今回の「見直し」で見えてきたのは、措置ではサービスが選択できないといってきた厚生労働省自身が、なるべく高齢者が介護サービスを利用しないようにという圧力を強めてきたことです。措置から介護保険への転換にあたって強調されたのは介護ニーズに迅速に対応することでした。要介護になれば、はやい段階から介護サービスを提供することや、潜在化している要求を掘り起こすのは社会福祉の視点からみて当然のことです。
「地域包括支援センター」で一元的にマネジメントするというのは、生活保護の水際作戦同様、制度の入り口の段階で給付コントロールの意図のあらわれでしょう。
制度の持続可能性は、公的部門の財政責任の強化、地方自治、現場の裁量権拡大の追求なくして展望はありません。介護保険制度は、そもそもだれのために、なんのためにあるのか、地方自治体の立場で問い直していただきたいとおもいます。今こそ、国民に痛みばかり押しつけてくる小泉構造改革の本質を見極める時であると申し上げ質問を終わります。