市議会報告

年4回の定例議会と7〜8月に開かれる臨時議会の概要を報告します。
民報かこがわ」で詳しく報告しますので、そちらもぜひ、ご覧下さい。

12月議会報告 山川議員一般質問


 小泉首相の下で日本の外交が破綻しています。「郵政民営化をすればすべてうまくいく」と単純化した論法で総選挙において大幅に議席を増やし、自民・公明政権は巨大与党となりましたが、「日米関係だけ緊密にすれば国際関係もうまくいく」という論法は世界で通用しませんでした。底なしのアメリカ従属、財界大企業の利益優先で国民と国益を省みない小泉政権の実態はいずれ暴露されざるを得ないでしょう。しかし、この政権の政策ともいえない暴挙の被害は国民にとって深刻で重大なものとなりつつあります。増税と社会保障の破壊が目に見えるようになり、自治体のあり方が鋭く問われてきています。
  当市の市政はこういう情勢にどう対応しようとしているのか、新年度予算と新行政改革を中心にこれを質していくものであります。



1.新年度予算と「新行革」について

 新年度予算について10月21日に議会に対して予算編成方針および加古川市新行政改革大綱と第3次行革緊急行動計画「集中改革プラン」の素案があわせて提示されました。ここにおいて市民の営業とくらしの現状をどう見ているのか、また、本来の仕事であるはずの教育と福祉の充実の課題はどのように位置づけているのか。疑問と懸念を持つ状況があります。そうした認識に関して以下、質問してまいります。


1)市民の生活の現状についての認識と対応する政策について
 OECD経済協力開発機構が加盟国の25カ国を調査して、日本の貧困率は15.3%でワースト5位と発表しました。5番目に貧困率が高いというのであります。これは2000年の時点ですが貧困率の高い順にメキシコ・アメリカ・トルコ・アイルランドそして日本となっています。貧困率とは全世帯の年収の中央値の半分以下の収入しかない世帯数の全世帯数に対する比率とされています。私はかつて市民の貧困層をどのように見ているのかと質問したことがありますが答えはありませんでした。つまり、市政において市民の貧困状態の分析はされてなかったのであります。ゆえに私はOECDの調査なども参考に市民の生活の現状を認識した上での必要な施策が採用されるべきと考えますが、認識と対応について答弁を求めます。


2)「新行革」についての市民への周知と市民参画について
 行政改革についてわが党は住民と全職員の参画を提言してきました。今回の新行革は10月21日に発表してから市民の意見を受け付ける期限は11月4日。僅か2週間であります。これでどれほど市民に周知ができたでしょうか。集約の現状について答弁を求めます。また、何ゆえこのような不十分な日程となったのか。行政の姿勢として住民自治の位置づけをどのように考えているのかの見解をただし、住民主人公の市政への転換を求める立場から答弁を求めるものであります。


3)公務労働の位置づけについて
 小泉政権の構造改革の地方への押し付けが「行革」として市民に押し付けとなっております。行政改革の目的は地方自治の本旨に沿うものでなければならないはずでありますが、果たしてそうなっているでありましょうか。公務労働の位置づけはどうなっているのか問う必要を痛感する状況があります。自治体業務の存在理由と存続をどう考えるか。それらの公共性の根拠は何なのか。御所見を問うものであります。私は、公共性の根拠、公務労働の位置づけは憲法と地方自治法に、教育行政は教育基本法に求められるものと認識しています。住民の安全と健康の保持、かなう限り最高水準の福祉と教育条件の整備を行い維持していくなどのために公務があると考えるものであります。答弁を求めます。


4)民間委託の諸問題について(建築設計不正事件など)
 小泉改革は「官から民へ」「民でできることは民へ」との言葉を強調し合言葉のようにしてきました。ここで言う「民」とは市民・住民でなく民間企業・大企業財界を意味しています。果てしない公務労働の民間移譲、民間委託がどういう事態を引き起こすのか。その一つの深刻な帰結がマンションなどの耐震強度偽造事件であります。1998年から自治体に代わって民間の指定確認検査機関が建築確認事務を行うようになって僅か7年で破綻したのであります。当時「民間まかせでは検査の公正・中立性の確保が難しい。手抜きされる恐れもある」と国会でこれに反対したのは日本共産党だけでしたが、憂慮された事態となりました。当市の現状はどうなのか。明らかにされなければなりません。
  保育園の民営化、民間への移譲が推し進められているが保育の質を決定付ける保育士の安定した子どもへの関わりは保証されているのか。民間移譲した保育園で保育士の入れ代わりが激しくなっている事態を把握して検討しているのか。学校給食調理の民間委託を推進しているが、学校給食に対する教育行政の責務はどう貫徹しているのか。実情についてどの程度掌握できているのか。幼稚園の統廃合を進めているが幼児保育と就学前教育を充実することについて教員の研修などをどのように保障しているのか。いずれも公共サービスにおける行政責任の位置が問われるものであります。民間委託等における諸問題についての御所見について答弁を求めます。




2.人権教育施策について

 私は、当市の人権施策はかつての部落開放同盟従属の同和施策からみて大きく改善されたと評価してきました。また、行政が住民に対して人権啓発・人権教育を施すという主体になるべきでないと指摘してきました。それは憲法・教育基本法と地方自治法の理念であります。人権教育の主体は国民であります。行政はそのための条件整備が任務であります。行政権力また大企業などの社会的権力には国民の基本的人権を守る責務があります。その主体である国民から負託された事項にかぎり人権侵害の摘発等が可能となるものであります。ところが人権教育施策においてしばしばこの観点が欠落しているのではないかと懸念するものがあります。近年の憲法改定論議にも国民が主人公であるということを無視する傾向があることに通ずるものです。そこで、当市の人権教育施策について質問するものです。



1)鳥取県人権侵害救済及び手続に関する条例の影響について
 この条例は鳥取県が制定したものですが適用される対象は「何人も」であり鳥取県の住民に限定されていません。このため鳥取県の内外から重大な懸念の声が上がっています。鳥取県の弁護士会は会長声明を出して5つの大きな欠陥があると指摘した上で県の人権救済委員会への弁護士派遣要請には応えていません。そこで言われている5つの欠陥についての要旨を紹介しますと

【1】適正な手続の保障に欠けている。
【2】この条例が国民の基本的人権を著しく制約する結果をもたらす懸念を払拭できない。
【3】(委員会の)調査過程そのものが国民の基本的人権を侵害する。
【4】行政権力による人権侵害に対する救済規定が極めて不十分。
【5】委員会の独立性の保障が極めて不十分

というもので、これでは人権救済でなく人権侵害の条例と言うべきものであります。マスコミも懸念を表明しております。この条例の内容を見ますと人権を侵害されたと感じた人又は第三者が申立すると救済委員会が開かれ、告発された人物を呼び出し調査して社会的制裁を加えるというもので、内外の懸念は妥当なものであります。そもそもこのような条例を制定することが間違いでありますが、この条例をめぐる影響と諸問題についての御所見をお聞かせ下さい。



2)「行政書士不正請求」事件への対応について
 行政書士法は業として他人の依頼を受け依頼の趣旨に基づく戸籍・住民票等の職務請求が認められています。当市でもそうした職務上請求がなされれば戸籍謄本等を交付してきたものであります。ところが一部の行政書士が違法に職務請求をしている問題が行政書士会でこれまで問題になってきていました。職務請求の様式の不備を利用して違法な請求事件が発生し行政書士会と監督官庁で対策が検討されてきていたところです。
  新聞報道などで浮上した「不正請求」事件はその一部をなすものであります。しかし、神戸新聞はこれをすべて身元調査の部落差別事件であるかのように報道しました。部落解放同盟のキャンペーンと同じ観点であります。行政書士の職務の不正は県が監督して取り締まるべきものですが、あたかも部落解放同盟が摘発機関であるかのような事態がすすみました。不正を行った行政書士と行政書士会を確認糾弾会に引きずり出して不正請求リストなるものを提出させ、全国の自治体に対しこれを元に開示請求を行い機関紙誌でキャンペーンを展開しているところです。言うまでもなく個人情報はその当人以外には開示できません。当市の対応はどうだったのか明らかにするよう求めるものであります。


3)「身元調査」問題について
 企業が採用にあたって身元調査をする。結婚に際して身元調査をするなどの実態がまだあります。かつては当然のように行われていましたが許されることではありません。身元調査を拒否する運動が提唱され各家庭にステッカーを張り出すように求め、標柱などが立てられました。企業の身元調査は社会的権力による人権侵害でありますが、その企業の責任追及は見られないということに疑問を持っております。その一方で門口にステッカーを張り出すかどうかでその人が身元調査を容認するか否かがはかられるとすれば現代の踏み絵となります。結婚における身元調査はお互いの注意でなくすべきで、きわめて少なくなってきており時代の進歩が見られます。この際あらためて「身元調査」問題についての御所見をお聞かせ下さい。


4)市人権同和教育協議会について
  わが党は、市人権同和教育協議会への市の関与をなくすことを求めてきました。市の幹部および小・中学校と幼稚園などの幹部職員を役員に派遣しており、毎年1000万円規模の財政支出をして深く関与している現状があります。役員幹部には規定で部落解放同盟の幹部が必ず付くことになっており、ここから市の主体性が問われる問題が生み出されています。その一つとして兵庫大学をめぐる問題について質問します。部落解放同盟の機関紙の記事により、兵庫大学の差別性を確認するとして確認学習会なるものを繰り返していることが分かりました。実態は糾弾会であります。問題になっているのは学生たちに就職についての説明に際して「興信所を使う企業あり 近所の方に聞くことあり」との表現であります。これが身元調査を容認する発言だとし、部落差別の現実の認識と人権感覚のなさが明らかになったと決め付けての糾弾であります。そこで市の見解を求めるものであります。市の見解はこういう部落解放同盟と同じものなのか。ご見解を求めます。
  当市の人権教育施策が憲法と教育基本法、地方自治法の理念の方向にすすむことを求めて質問を終わります。




 
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