年4回の定例議会と7〜8月に開かれる臨時議会の概要を報告します。
「民報かこがわ」で詳しく報告しますので、そちらもぜひ、ご覧下さい。
「保険証一枚」で安心して受けられる医療の充実について 衆議院厚生労働委員会で、医療制度改革関連法案が、自民、公明両党の強行採決により可決し、衆議院本会議を通過し参議院に送られています。実質審議は、わずか1ヶ月あまりです。この法案の一端を紹介し、世界に誇る日本の医療制度を守るため質問いたします。
1)医療費の伸びは抑制しなければならないのか
政府そして財界は「この先高齢化が進んで医療費が膨張したら大変だ」と今にも国家財政が破綻するかのように国民を脅かしています。はたして日本の医療費はそんなに高いのでしょうか。まず、国内総生産(GDP)に占める総医療費の比率をOECD加盟の30カ国で比べてみると、1位のアメリカ15%、2位のスイス11.5%、3位のドイツ11.1%、6位フランス10.1%に対して日本は7.9%で17位です。決して過大ではないのです。また、財界は事業主負担が多いので引き下げろと要求をしていますが、企業の税、社会保障負担のGDP比は日本7.7%に対して、イギリス、ドイツ10%、フランス12.8%とけして高いものではありません。
小泉政権の「構造改革」路線にもとづく医療費の削減政策のもとで、いま医療現場はギリギリの状態に追い込まれています。保険料が払えず、病院にいけないで命を落とす人がいます。小児科、産婦人科を中心とする深刻な医師不足、過重勤務は地域医療を崩壊させています。政府、与党からは、この法案が、いまでも深刻な医療現場にどのような影響をあたえるか、という問題への真剣な検討はありません。
この法案の根本にあるものは「医療給付費の抑制」です。今回の法案で「適正化計画」をつくり抑制をはかろうとしているのは「医療給付費」です。医療給付費の総額抑制を最も強力に主張してきたのは日本経団連をはじめとする財界です。医療給付費が増えれば大企業の保険料負担に跳ね返るので、それを抑制する狙いです。
今回の法案のもとになった厚生労働省の試算で、現行制度でいけば2025年には医療給付が国民所得の10.5% 56兆円になるというものです。しかし、ヨーロッパでは90年代にすでに到達している水準です。社会保障全体ではこの傾向はより顕著です。厚生労働省が示した2025年国民所得比28,5%というのはドイツでは16年まえの水準です。20年後の医療費が80年代や90年代のヨーロッパ並みになったからといって日本の経済や財界がつぶれることはありません。国民の健康や命より医療にかけるお金を押さえ込み、いっそうの負担を押し付ける政治のあり方は正しいでしょうか。
医療は、憲法25条で保障された権利です。医療費はなぜ抑制しなければならないのでしょうか。市民病院ではこれまでも、必要で適正な医療が提供されてきたのではないのですか。お考えを聞かせてください。
2)「混合診療」について見解を求める
この法案には、公的医療保険がきく医療(保険診療)と保険がきかない医療(保険外診療)を組み合わせる「混合診療」の本格的導入が盛り込まれています。日本の医療制度は臓器移植など「高度先進医療」と「差額ベッド」など一部の例外を除き「混合診療」を原則禁止しています。この法案では「必ずしも高度でない先進技術」や「国内未承認薬」「制限回数を超える医療行為」などを対象に加え、適用範囲を拡大します。保険外の診療、負担が拡大する一方、保険での診療が狭められることになり公的医療制度の土台を崩しかねない内容です。日本の医療は、保険診療を基本にすることにより、保険がきかない診療についても、安全性、有効性が確認されれば保険適用する努力が行なわれてきました。保険収載されて診療報酬点数が決まれば新しい医療技術や薬が一気に普及し均等化されます。人工透析、腎臓移植、白内障眼内レンズなどがあります。ペニシリンも象徴的な存在です。保険証1枚あれば安心して医療が受けられる日本の医療制度は世界でも例を見ない優れた制度です。
「混合診療」で利益を得るのは誰なのでしょう。テレビをつければ保険会社のコマーシャルが、繰り返し、繰り返し流されてきます。保険外の診療、患者の自己負担が増えれば民間保険会社のビジネスチャンスが拡大されます。しかし、民間保険に入れるのはお金のある人に限られます。全国民を対象にした公的医療保険のないアメリカでは無保険になっている人は国民の17%4800万人。保険が無いため健康を害して死亡する人は毎年、18000人です。アメリカ医療の現実は「混合診療」の拡大・解禁が日本の医療、国民に何をもたらすかを示しています。市民の健康を守る医療現場の最前線を担う地方自治体として「混合診療」への見解をお伺いいたします。
「認知症の父に長男殺傷容疑」最近こんな記事がよく目に付きます。無職の48歳の男性が痴呆の症状がではじめた父親に暴行を加え食事も十分に取らせていなかったという記事です。私自身も「お父さんがおばあちゃんに手をかけそう。助けて」こんな訴えに駆けつけたこともあります。「子どもや孫のことを考えて!」という妻の声にわれに返った男性は普段は実直な職人さんです。不況による収入への不安と介護の重さに直面していました。改定介護保険制度は貧困と社会的格差の広がりにいっそうの拍車をかけるのではないでしょうか。「介護地獄」の家庭を置き去りにすることになりかねません。 国には改善を求め、加古川市としても独自の支援策の実施を求め質問いたします。
1)新予防給付開始による混乱について
「ケアマネ難民」これは、ある日の記事のみだしです。新予防給付のケアプラン作成の介護報酬はこれまでの半分以下、事業所は地域包括センターから委託を受けるのですが、委託料はさらに切り詰められます。さらに今年10月からは一人あたり8件の制限がつけられます。軽度のケアプランをつくってもらえない「ケアマネ難民」がでるだろうという記事です。重度ほど単価が高く、予防給付のプランガ極度に低ければ敬遠されるのは目に見えています。「委託を受ければ受けるほど赤字」こんな事業所の声も聞こえます。加古川市は、効果的、効率的に実施するために、委託事業所に新システムの購入を求め円滑に実施できるよう対策を採るとのお話でしたが、実施の状況はいかがでしょうか。必要な支援の給付が受けられないような事態は心配ないのでしょうか。
2)生活援助の大幅削減について
今回の制度改定では、“ヘルパーの生活援助が自立を阻害している“として生活援助が削減され、1時間をこえる分の加算が廃止されました。これによって生活援助は1時間半の介護報酬しか支払われなくなり、事業所は採算のとれないサービスは打ち切らざるを得なくなっています。「時間をかけた調理ができなくなり簡単なメニューにならざるをえない」「洗濯物も干せないまま時間が来てしまう」「時間オーバーで持ち出しサービスをすると他のヘルパーさんに迷惑がかかる」「生活援助でやっと自立をしている利用者は口には出さないけど目に不満が募っている」「市がもっと制度改定内容を利用者に知らせてほしい」こんなふうにヘルパーさんは改定制度の、やおもてに立たされています。こんな実態をどう把握されていますか。
また、要介護度2から要支援1となった私の友人は介護ベッドの変換を迫られています。6ヶ月の経過措置の後、返還か買い取を選択しなければなりません。脳梗塞の症状は安定し容態は改善された面はありますが、股関節が悪くベッドは必需品となっています。
生活実態にあった対応がなされているのでしょうか。
3)深刻さを増す食事代・部屋代自己負担化について
全国保険医団体連合会が4月25日に発表した「介護保険の居住費・食費代自己負担化による影響調査の結果」では19県の調査で585人が経済的な理由で退所せざるを得なかったと発表しました。施設数などから全国で3200人程度の退所者を推定し、今後さらに負担に耐え切れないが出ると指摘をしています。低所得者対策がとられているというけれど、利用料の負担軽減措置の対象となっていない第4段階の退所が50%を越しています。ショートステイやデイケアなどの食費負担も影響しデイサービスに通うのをやめるか、ヘルパーの訪問回数を減らすかつらい選択を迫られています。神奈川県は実態調査が行なわれていますが、兵庫県や加古川市はこんな深刻な状況把握をされているのでしょうか。保険者としての実態調査が必要だと思われますがいかがですか。
実際2月24日の厚生労働委員会では「わが国の保健医療水準はWHOから大変高いと評価されている」こと「一方、医療費の水準は、GDP比でみると、OECD諸国の中ほどでさほど高い水準にあるとは言えない。良好なコストパフォーマンス(効率)を示している」と政府もこの事実を認めています。
日本医師会、看護協会、全国の医療団体がとりくんだ、負担増や混合診療に反対し、国民皆保険制度堅持を求める署名は1700万人世論に背を向けることになる。
尾辻厚生大臣
「決して今までのサービスが受けられなくなるというつもりはない。本当に必要な家事援助は、当然今後もうけていただく」 05年2月21日