市議会報告

年4回の定例議会と7〜8月に開かれる臨時議会の概要を報告します。
民報かこがわ」で詳しく報告しますので、そちらもぜひ、ご覧下さい。

07年3月議会報告 中村議員一般質問


一般質問【中村議員】

1、多重債務者救済施策を求めることについて

 最近、私は一人の多重債務者の相談を受けました。夫に先立たれたあと、次々不幸な出来事に見舞われ、家も手放し、命の綱の遺族年金さえ年金担保融資を受けざるを得なかったため半額しか手元に入っていません。このため生活費として借りたささやかな金額が返せなくなり多重債務の生活に陥っていました。返済が滞り返済期日が次々到来する中での相談でした。「今外で犬がほえている。取り立ての人がドアの外に立っているかもしれない」「電話を取れない」「怖くて眠れない」彼女は精神的に追い詰められていて、私のところに毎晩こんな電話がかかりました。そのつど励まし、今、専門家の手により解決への一歩を踏み出したところです。一人暮らしの彼女はふと死を考える毎日だったといいます。多重債務は自己破産や任意整理といった法的手段で、ほとんどの人は救済できます。特に自治体には解決に向けて2つの利点があります。厚い信頼を背景に多重債務者を早期にかつ的確に相談機関へ橋渡しが出来ること、もうひとつは生活再建に向けて生活保護、税の分割納付などを行う権限を持つということです。ノウハウを蓄積してきた弁護士会、司法書士会と連携できれば暗闇の中にいる多重債務者を生活再建につなげることができ、大きな効果が上がることが実証されてきています。前回に引き続き救済の施策を求めて質問をいたします。

(1)滋賀県野洲市の取り組みについて

 多くの自治体では、多重債務の相談者に対して、弁護士会や司法書士会への連絡先を教える程度です。 人口5万の野洲市の消費生活相談員生水さんのお話を聞く機会がありました。野洲市では多重債務の相談者には、まず、解決法の概要を伝え、自己破産や個人再生などの手続きが必要な場合は弁護士会や司法書士会に連絡を取り、その場で訪問する日程まで予約します。確実につなぐ手立てを取ります。ここが重要なポイントです。特定調停は債務者本人が簡易裁判所で行えるので手続きの進め方を細かく教えます。二つ目の重要なポイントは、役所内の横の連携です。野洲市では生水さんを核とし横の連携が完全に定着しています。多重債務者は市税、国保、水道料、公営住宅家賃など公共料金の滞納も多く、これらの督促の担当部署の連携、協力が欠かせません。相談件数は4月からの8ヶ月間で約100件に達するとのことでした。
 自治体としてのメリットも大きく、貸金業者から取り戻した過払い金で税金など滞納分が一気に解消する例が多くあります。生活が再建されれば自治体の税収増、社会保障費の支出減など財政改善につながります。事前に資料をお届けしていますが、消費生活相談窓口の充実で大きな効果をうむ野洲市の取り組みについてご見解を伺います。

(2)先進例に学ぶため職員研修の実施について

 多重債務者の救済の取り組みには職員の理解と認識を深めておく必要があります。そのために職員研修を開催していただきたいのです。「借りた人が悪いのだから救済に自治体が取り組む必要がない」という認識であれば改めていただきたいと思います。日本の年間の自殺者は3万人を超え、7千人から8千人は経済問題が原因です。その大半が多重債務者と見られます。また、多重債務者の子どもが思うように進学できない、子どもも貧困生活を余儀なくされ、あるいは虐待までつながる、こういうことも珍しくありません。多重債務が解決できれば本人だけでなく配偶者や子どもも平穏な生活を取り戻せるのです。支援は安心安全な社会を実現することにもつながります。研修は消費生活相談の担当者、生活保護など福祉の担当者、滞納者への督促の担当者など分けて行えば効果的だそうです。先進例を知ることは地方行政の役割を再認識し、現場職員のやる気と励みにつながると確信いたします。いかがでしょうか。

(3)住民への啓発、出前講座について


 ゼロ予算(Do the Best)事業にぜひ多重債務問題も加えていただきたいと思います。町内会や市民団体だけでなく学校や企業の新入社員研修にも出かけ、多重債務に陥らないための講座を自治体が積極的に行ってほしいのです。そこで多重債務の解決策や相談先も解説してほしいのです。
 また、住民啓発には広報も必要です。先進自治体愛知県の岩倉市の広報です。1ページ目と次のページ全面に特集記事を載せています。「多重債務に陥ったらすぐ相談」加古川市もぜひ広報かこがわにこんな記事を載せていただきたいのです。HPも有効です。また、多重債務の解決方や相談先を示した文書を、相談窓口だけでなく、生活保護など福祉の部署、滞納の督促担当部署にも用意しておき、多重債務者であると分かった場合はこの文書を即刻渡して相談窓口に案内します。「大丈夫。助かりますよ」と暗闇の中にいる人に情報の発信をしていただきたいのです。いかがでしょうか。

2、介護ベッドなど福祉用具の利用制限の緩和について

(1)福祉用具貸与制限がもたらした現状への見解について

 介護保険法の改悪により介護度が軽度とされた高齢者は06年9月末の経過措置以後、介護ベッドなど福祉用具の貸与が受けられなくなりました。10月からはレンタルで借りたり、中古のベッドを購入したり、やむなくあきらめた人もいます。全国的に「年寄りいじめ」「弱いものいじめ」と怒りの声が上がりました。暮らしやすい用具、生活に必要な用具を貸与し、十分にその機能を知らせておいて、制度を変えて取上げるなど政治のあり方が問われませんか。
 このたび私は福祉用具の利用状況を調べてみました。顕著に差の出た介護ベッドの場合、平成18年9月利用分が461件。経過措置が打ち切られた10月利用分が47件と激減しています。驚くほどの数字ではではありませんか。実態から目をそらさず独自に助成する自治体もあります。加古川市では激減したあと実態を把握されましたか。ご見解をお伺いいたします。

(2)今後の対応について

 厚生労働省は2月19日利用制限の一部を緩和する方針を発表しました。依然として厳しい要件ですが見直さざるを得なくなったのは世論の力です。国からパブリックコメントを求められたそうですが、どんな場合が対象となるのでしょうか。今後の対応についてお伺いいたします。

3、心ふれあうまちづくりを目指す公民館運営について

 「加古川市の教育」という冊子を繰ってみて加古川市立公民館基本方針を貫く素敵な言葉に出会いました。「心ふれあうまちづくり」とても優しいひびきではありませんか。急速に都市化した加古川市において地域住民をむすぶ公民館運営の理想が感じられます。日本一の水準を目指したという活発な公民館活動は加古川市の発展を地域住民とともにささえてきたともいえます。

(1)学びを地域に還元する取り組みについて

 社会教育法の第5章公民館の目的として住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の増進に寄与することを目的とするとうたわれています。生涯学習とともに学びを地域に還元し地域に文化を育てる社会教育を担っています。私は東加古川公民館の登録団体のかたがたが取り組まれた 「夏休み子ども体験教室」に公民館活動の原点をみる思いです。夏休み中の子どもたちに登録団体のいろいろな活動を体験してもらって安全な子どもの居場所づくりに役立てたいという取り組みです。集まった子どもたちも、教える側もたいそう好評だったとのお話です。公民館で展開される社会教育をどう評価されていますか。

(2)コミュニティ創造の拠点の重要性について

 「地域に公民館がほしい」この要望に添って公民館が建設されています。建て替えのときは自分たちの地域にという要望もあります。公民館への期待は依然として変わりません。いま、団塊の世代が地域にかえる時期を迎えました。現役時代に培われた財産を地域社会に還元していただく拠点となれば重要性が再認識されてくるでしょう。さらに、新しい公民館活動のあり方が形成されるチャンスです。
しかしながら、今の時代、希薄になった人と人の関係を造りだすことは難しくなっています。そこで公民館運営の経験と深い専門性が求められてくるのではないでしょうか。コミュニテー創造の拠点として加古川市はこれからの時代、公民館運営をどう位置づけておられるのでしょう。

(3)登録団体へ使用料の負担をもとめることについて。


 登録団体に受益者負担を求める見直しがなされ実施に向けて準備中とのこと。660を越す登録団体に使用料の全額免除から半額免除とした場合1500万円あまりの使用料が入る試算が示されました。一つの公民館にすると126万円。たったこれだけの収入を上げるために新たな徴収事務が発生し、今でも目いっぱいの3人体制で配置された職員は本来任務の時間を奪われます。そして、何よりも「心ふれあうまちづくり」という理想を手放してしまうようで残念でなりません。登録団体の認定を受けるには「社会教育振興を図ることを目的として組織された団体」ということが条件になっています。登録団体はこの要綱にそって活動を続けてきました。社会教育の実践にあたっては公民館と密接な連絡、連携、協力をとってきた団体なのではありませんか。要綱にそって活動してきた団体に受益者負担を求めることは矛盾が生じませんか。登録団体のマンネリ化、既得権の主張などの声も聞きますが、それなら解決方法を探る努力がもっと必要ではありませんか。負担を求める前に市として公民館運営の姿勢が問われる問題です。民間施設との公平性を図るとも言われましたが、社会教育という目的をもって公が行う事業と個人の知識や教養を高めることを目的とするカルチャーセンターと混同させてはなりません。負担を求めれば確実に参加できない市民が増えます。公民館の基本的なあり方について真剣な議論が必要です。ご見解を伺います。

意見

 多重債務者の救済について、前向きな姿勢を示されたと評価いたします。
 前回紹介した奄美市の担当者の方が、ご自分に届いた年賀状のコピーを送ってくださいました。そこには「私の命たすけてくれて本当にありがとうございました」と書かれてあります。大きな字からあふれる思いが伝わってきました。「行政は市民のしあわせのために」ありますぜひ、出来ることからはじめて頂ければ思います。

 公民館会の問題は、まだまだ時間かけて議論が必要だと思いました。この4月から予定していた使用料の徴収が1年先になりました。周知のためだけでなく、今後の公民館のあり方を考える期間としていただきますようお願いいたします。

 福祉用具の貸与がすべて必要であったとは思いませんが、その貸与を許してきた責任は保険者にあるのではないですか。そのチェックをするのが行政ではありませんか。一挙に厳しい基準が示され当惑するのは利用者です。
 対象例がしめされましたが、こんな状態の人からも介護ベッドが取上げられていました。自民党公明党、野党の民主党まで賛成した介護保険法が、いかにひどい改悪であるかあらためて怒りを覚えます。
 「介護保険をつかわないまま夫がなくなりました。せめて納めた保険の半分返してください」こんな声も届いています。65歳から利用できますが実際利用される人は2割に届きません。
 「介護放棄」「老老介護」など家族介護の深刻な実態を考えると介護制度はさらに改善、充実が求められます。あらゆる機会を通じ地方自治体からも声を上げていただくことをお願いいたします。



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