年4回の定例議会と7〜8月に開かれる臨時議会の概要を報告します。
「民報かこがわ」で詳しく報告しますので、そちらもぜひ、ご覧下さい。
加古川市民病院は来年秋の完成を目指して、地下1階、地上3階の手術棟を建設中です。先日は議会から免震工事の見学説明会もしていただきました。最新の医療設備が完備した手術棟の完成は市民の命を守るために必要と理解し歓迎していますが、ある開業医の方から、「いい施設が出来ても、誰が執刀するのか、医者不足についてどういう方針なのか見えてこない」と聞きました。現役のお医者さんの発言に医師不足がいっそう深刻であることを実感しています。
また、市民病院の内科外来には、こんな張り紙をみました。「4月より医師の移動により現行の診療体制を縮小せざるを得ない状況となります。みなさまにはご迷惑をおかけ致しますがご了承いただきますようお願いいたします。つきましては、主治医より他の医療機関へのご紹介について相談させていただくこともありますのでご理解ください。」とありました。
本、市議会は平成17年9月議会において「自治体病院の医師確保対策を求める意見書」を採択し、「早急に抜本的な医師確保対策を講じられるよう」求めて関係機関に送付される取り組みをされました。しかし、医師不足の原因については「医師臨床研修制度の必修化に伴う大学による医師の引揚げや医師の地域偏在、診療科目偏在などにより、地域医療を担う医師の不足が深刻化している」とされ、基本的には医師は足りているとの認識にあると思います。私は医師不足の根本原因を探り、根本から改善をしないとほんとうの解決にはならないのではないかと考えて意見をのべさせていただきます。
私は、5月21日に野口コミュニティ会館で行われました医療問題の学習会に参加いたしました。内田 ゆきただ(敬止)というお医者さんのお話ですがそこで学びました事は、医療にお金をかけないという国の方針のもとでいまの医師不足が起こっていると言うことです。
2004年の厚労省の調査で常勤医が医療法の配置基準を満たしている病院の割合はわずか35%に過ぎませんでした。
医療技術の高度化やインフォームドコンセントなど、仕事の量が年々増加しているにもかかわらず、政府は「医者が増えると医療費が増える」という考え方で、長年にわたって医師養成を抑制してきました。その 結果、医療施設で実際に働く医師数は2004年で25万9,000人、人口1,000人当たりで2人、OECD加盟30カ国中なんと27位という低水準です。フランスやドイツと比べても18万人、OECD平均と比べて14万人も医師の数が少ないのです。
第2の原因は医師の絶対数が足りないのに、産科や小児科、救急医療など、24時間体制で容態の急変などへの対応が求められる分野を病院や自治体まかせにし、充分な国の予算が補償されずに不採算部門とされたことです。
費用が足りず、充分な医師の配置がされないため、医師をはじめとする医療スタッフは過密労働を強いられています。国立保健医療科学院が調べた勤務医の1週間の平均労働時間は70時間。厚労省が全国の小児医療の拠点病院を調査したところ、宿直・夜勤の翌日も勤務する小児科医は全体の7割。24時間連続勤務の回数は月平均2.4回、最も多い場合では10回にも及んでいたのです。
このような勤務実態の中で、生命の危機を伴う医療がおこなわれています。1999年に東京中野区にある民間病院の小児科医師・中原利郎さんが遺書を残して病院の屋上から飛び降り自殺をしました。その遺書は「経済大国・日本の首都で行われているあまりにも貧弱な小児医療。」を告発しています。今年の3月、中原医師の過労自殺を労働災害と認めた東京地裁の判決を被告の政府が控訴を断念し、原告勝訴の判決が確定しました。判決文に添付された中原医師の労働時間を見ると「過労死ライン」と言われる月80時間以上の時間外労働をした月は10ヶ月。最高は143時間50分にも及んだのです。新聞のコラム報道によりますとあまりにも医師が足りない。国が充分な費用を手当てしないために必要な人員が確保できていない。過蜜労働の中で、限界になった医師が離れ、ますます人手不足になる。こうした悪循環が起こっていると報道しています。 医師不足のもう一つの原因は「政府が医師不足を認めないこと」と言われました。厚労省は2006年7月に「医師の需給に関する検討会」の報告を発表しています。このなかで「医師数全体の動向としては充足の方向にあると考えられる」と報告書案を提示し、委員から反発が相次ぎ、結果的には「充足」の言葉が削除されています。医師数は不足していないが「偏在が問題」というのが政府の考えです。しかし、共同通信社の調査では、47都道府県の8割が「産科不足」、7割が「小児科不足」と回答しており、もはや偏在しているとは言えない状況です。医師数を増やすことでしか解決しないことは明らかではないでしょうか。
それでも厚労省が「医師は充足の方向にある」というのはなぜでしょうか。それは医師を増やせば増やしただけ医療費が増えると考えているからです。1994年の「医師の需給に関する検討委員会」の報告では「医師の増加に伴う医療費の増加の影響は、病院勤務医1人当たり年8,000万円、開業医1人当たり6,000万になる試算もある。国民医療費の激増を招かないために医師過剰状態を生じさせない対策が求められる」としています。このような医療費の削減から医師数の問題を考える政府の逆立ちした考えが日本の医師不足問題の大きな原因となっていると指摘されています。 こうした厳しい状況の中でも、日本の医療は、必要な医療を保険で行う、国民皆保険制度のもとで医療従事者が献身的努力を行ったこともあり、大きな成果を上げてきました。WHO世界保健機構の健康達成度は世界1位、平等性は3位になるなど高い評価もうけています。しかし、いま進められようとしている新たな医療改革はこれまでの成果を台無しにするものではないか。と考えるものです。
加古川でも、5月12日に加古川市民会館で加古川地域医療フォーラムが開催されました。県立加古川病院・甲南加古川病院・神鋼加古川病院・加古川市民病院と4つの大きな病院の院長先生から取り組みを聞かせていただきました。
「地域ですべての医療を受けられる「地域完結型の医療を目指している」というお話を聞いて、東播磨地域、特に加古川市内に大きな病院があり、それぞれの特徴を持った診療科目で市民の健康を守ってこられた事を感じました。その上に立って、市民が安心して治療が受けられる病院、医師が誇りを持って診療活動が進められる医療体制のさらなる充実を求め、医師不足の原因の認識と解決へのお考えをお聞かせください。
また、夜間急病センターについてですが年間、約11,000人が利用している市民の健康回復のためになくてはならない夜間の救急病院です。一般の病院が終わってしまってから体調が悪くなった時、急病センターは本当に安心でき、頼りになる存在です。特に小児科は、小さい子どもを持つ家庭にとってなくてはならないものです。子どもの病気は待ったなし、急変しますし、手当てが早ければ回復も早いのです。川の西、側道沿いと場所的にもわかりやすく、便利だと思います。しかし、小児科のお医者さんが不足していると聞いています。夜間急病センターに小児科のお医者さんが来てくれなくなるかもしれないと心配の声が聞かれます。
今後の見通しや周辺の自治体との連携は夜間救急体制はどのようになっているのか。お聞かせください。
政府は、医療費削減のため、治療の必要な人を病院から追い出そうとしています。その1つが慢性的な病気を抱える高齢者が入院している38万床有った療養病床の削減です。2012年3月末までに15万床に減らす計画です。
昨年10月、加古川市議会は「兵庫県保険医協会」から提出された陳情を受けて、「療養病床削減計画の中止と医療・介護・福祉の基盤整備を求める意見書」を採択し、関係機関に送付しています。そこには昨年7月から診療報酬の「療養病床の入院基本料」が大幅に引下げられたため、病院側が患者に退院を求めざるを得ない状況が生まれつつあり、療養病床削減を誘導するものとなっていること、そして、特別養護老人ホームや老人保健施設は待機者が多く、退院を余儀なくされた患者さんはどこにも行き場が無く、「医療難民」「介護難民」が起ころうとしていると指摘されています。そのため、療養病床の削減計画を中止し、医療・介護・福祉制度や施設の基盤整備を優先するよう求めています。
この請願は、全会一致で採択されました。この問題の切実さが充分認識されていると実感させられました。今でも、「入院手術して、病室に落ち着く間もなく退院の話が出され、家族にとって、手術後の回復がどうなるのか解からない中で退院の日を決められることに大きな不安を感じた」と言う話を聞きました。ある期間を過ぎると診療報酬が大きく引下げられることになれば介護のこともあるので家族に早く伝えたほうが親切かもしれませんが家族は苦労が増えます。療養病床削減の理由として、医療の必要の低い患者が入院していると言われるそうですが実態を見ていないのではありませんか。市民病院などの現状から、どう思われるでしょうか。
2012年と言えばあと5年後となりますが加古川・加古地域の療養病床は何床あるのですか。そして削減後は何床になると見ておられますか。入院予測から見て、療養病床は確保できるのでしょうか。見解をお聞かせください。
次に
県立加古川病院は2009年の新築移転に向けて計画が着着と進められています。しかし、現在の県立病院は加古川市街地の中心にあり、市の人口から考えても市民の健康を守る上で大変重要な位置にあるとおもいます。新しい機能を備えた病院としては手狭かもしれませんが加古川町に、引続き公立病院として存続させてほしい「市民病院の分院」として整備してほしいという声が聞かれます。病気になったときはすぐに診てもらいたい、なるべく近くに病院がほしいと思います。今後の跡地利用計画についてお聞かせください。
厚労省は全国の医療機関を対象にレセプト(診療報酬明細書)による医療費請求のオンライン化を義務付けようとしています。しかし医療現場では「一律の押し付けは困る」と不安が広がっています。神奈川県の開業医が加入する神奈川県保険医協会のアンケートによれば、オンラインに対応できるとの回答は30%で約70%が不安の声を上げただけでなく12%の医師が「義務化されたら開業医を辞める」と回答されたそうです。その最大の不安は設備投資費です。
現在でもレセプト作成をコンピューターで行っているところはありますがメーカーが違えばそのまま接続できる保障もなく、経済的支援がないなかでは、費用負担が重過ぎる問題があります。さらに問題は個人情報の管理です。診療報酬請求データーというのは、健康という最もデリケートな個人情報です。ところが昨年政府が閣議決定した「規制改革・民間解放推進3ヵ年計画」では、レセプト情報について「民間なども含めて活用する際、過度の厳重な要件を課していたずらに利用を制限する事のないよう、個人情報保護には配慮しつつも、データー利用・分析に係わる利用資格・手続き等の利用環境の整備をはかる」と明記されています。これでは、情報保護よりも民間活用優先の内容ではないであり、時代に逆行しているといわなければなりません。
このように、費用の問題、個人情報保護の問題が懸念されるなかで2011年
4月からレセプト請求はオンライン請求以外は認められないというのならば、開業医はやっていけないからやめたいと言う声があるというのです。いま、開業医が辞められるとなれば、さらに大きい病院に患者が集中することになりませんか。加古川市はどのように対処して行こうとされているのかお伺いいたします。
後期高齢者の医療制度は多くの国民が反対している中で、昨年自民・公明両党が強行して成立させた医療改悪法です。来年度4月から始めようと準備が進められています。老人保健法を来年3月末に廃止し、この制度に移行しますが老人保健法の目的に明記されていた「健康の保持」の文言が削られ、代わりに「医療費の適正化」が入りました。ここに新制度の本質が明らかだと指摘しなければなりません。ほんとうに今の内容で実施されて市民の健康は守れるでしょうか。 市の行政は市民の福祉の向上に務める責任があります。後期高齢者医療制度を行う広域連合組織の加古川市の代表は市長ただひとりです。
負担が増え、診療が制限されるのではないかと心配している、市民の声を届けて、制度の改善を図って頂きたいとの立場で申しあげます。
75歳以上は、現在加入している国民健康保険や組合健保、政府管請健保などから脱退して後期高齢者だけを対象にした新しい保険に入ります。 厚労省は1,300万人が対象になると推計しています。新制度では、現在子どもの健康保険になどの扶養家族となっている保険料負担の無い人を含めて75歳以上のすべての高齢者が保険料を払う事になります。保険の額は、都道府県ごとにきめられますが、厚労省は1人当たり平均で月額6,200円、年間74,000円に成ると試算しています。扶養されていた人は、2年間限定で月平均1,500円の措置を設けるとしています。
先日お話を聞きました、70歳代に成られる女性は40歳代で連れ合いを亡くされ、学生だった2人の子どもを賢明に働いて育てられました。年金をもらうことに成った時、遺族年金か自分の年金の選択をしなければならくなり、老後のことを考えて子供の扶養には入れる遺族年金を選ばれたそうです。「今になって子どもの扶養から外される事になるのはほんとうにひどい。ころころと制度が変わることにも不安がある」と訴えられています。
あらたに負担が増えるお年寄りの不安についてどのようにお考えでしょうか。
扶養家族であるということは、年金が少ない、あるいは無年金の方かもしれないのです。2年間はつき平均1,500円ですと言われても年に18,000円です。それがどれだけ重い負担になるか。お考え頂きたいと思います。
この制度は年金を月15,000円以上受けている人は、保険料が年金から天引きされます。 厚労省は75歳以上の8割程度が天引きの対象になると見込んでいます。 介護保険料(平均月4,090円)と合わせて、毎月平均1万円を超える保険料が、年金から天引きされてしまう事になるのです。重大なのは、保険料が払えない高齢者に対する保険証取り上げと資格証明書の発行を法律に明記したことです。資格証明書が発行されると窓口で全額負担しなければなりません。これではお金が無くては医者にかかれなくなります。生活困窮者から医療を奪うものではないでしょうか。
これまでは75歳以上の高齢者が資格証を理由に医者にかかれないことなどが起こらないよう75歳以上の人は資格証を発行していませんでした。しかし、「公平性の確保」を理由に資格証明書の発行を法律で明記しているのです。
さらに、75歳以上の高齢者を病院に行かせない仕組みがあります。
定額医療制度です。例えば1カ月の医療費は1回2,000円以内、受診は2〜3回など厳しい制限が予定されています。その結果、高負担、低医療、不足分は自由診療の負担となります。お金があれば個人保険には入れますが、お金の切れ目が命の切れ目、こんな医療制度でいいでしょうか。長年社会に貢献してこられた75歳以上のお年寄りから、病気になったときに病院にも行く事が出来なくするような冷たい制度は実施すべきではない。止めるべきではないでしょうか。ご所見をお伺いいたします。
いま、離婚や死別、などで父子家庭は増えています。父子家庭は母子家庭に比べて経済的には恵まれていると見なされて支援が少ないことがあります。しかし、就学前の子どもがいる世帯や就学児童のいる世帯では父親にもストレスが溜まりやすくなり、児童虐待にもつながりかねません。そんな父子家庭に子育て支援を行うような施策をお願いいたします。
山口県ぼうふ市では、父子家庭を対象に、掃除や洗濯、簡単な食事の準備などの家事を援助する「父子家庭生活支援制度」を開始しています。
対象は、父と中学卒業前までの児童で構成する一定所得以下の家庭。約220世帯が該当するのだそうです。市は申請に基づき、1時間当たり800円の利用券を月4枚交付します。父親が市のシルバー人材センターに支援を依頼し、利用当日、利用券を家事援助提供者に渡して精算します。加古川でもこのような制度の実現を求め、壇上からの質問を終わります。
昨日、診療中の医師が診察室に入ってきた男にみぞおちを刃物で刺されて重症を負ったというショッキングな報道がありました。逆恨みの行為と言われていますがどんな状況であれ、こんな暴力行為は許されません。しかし、お金で命に差が出る社会になれば人の心をどれだけ暗くおとしめるでしょうか。
そんな社会にならないよう医師不足の改善に全力を上げた取り組み、また高齢者医療の制度改善を求めて質問を終わります。