市議会報告

年4回の定例議会と7〜8月に開かれる臨時議会の概要を報告します。
民報かこがわ」で詳しく報告しますので、そちらもぜひ、ご覧下さい。

07年6月議会報告


一般質問【広瀬議員】

1.後期高齢者医療制度の問題点について

 いま日本の高齢者は極めて厳しい状況におかれています。一昨年の税制改定によって老年者控除が廃止され、年金者控除も縮小されました。年金収入の一定部分が控除されなくなって、年金が下がっているのに、課税対象の所得が増え、増税になってしまったのです。これに連動して、介護保険料、国民健康保険料も引上げられ、高齢者世帯の可処分所得が大幅に少なくなっているのです。
 生活費を切り詰めても、医者に行けないとか介護を受けられない高齢者世帯が増えています。厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、年金だけで生活している高齢者世帯の比率は1995年の46%から2004年には62%と多くなり、年金と働いて得る収入で暮らしている世帯が46%から34%下がっています。
 不況のなかで、高齢者の働く場が無くなり、低い年金を働いて得る収入でカバーする事が出来なくなっています。高齢者は、年金は下がるし、働く場も無いという厳しい状況に置かれていることが明らかです。
 そんな中で、来年4月から始まる後期高齢者療制度は、これまでの「老人保健法」を廃止してこの制度に移行するものです。しかし、名称が変わっただけでなく、目的も「健康の保持」から「医療費の適正化」に変わり、高齢者に重い負担を負わせることと医療を抑制するようにせまる方向に向っていることが明らかになってきました。
 9月17日は敬老の日です。加古川市も長寿を祝う行事が計画されております。長年日本の社会の発展に尽してこられた高齢者の方々を尊敬し、国をあげて大切に思い、長寿を喜び、祝う日本の伝統がなし崩しにされる事態になるといういきどおりを感じています。
 市長は「市民福祉の向上を市政運営の最優先課題」と明言されておられます。
 後期高齢者医療制度を運営する広域連合議会の加古川市の代表は市長です。
 「長生きしてよかった」といえる社会は「市民の誰もが住んで良かった、これからも住み続けたいと実感できるまちづくり」と言われる市長の信条に通じるものと確信いたします。その立場から市民の切実な声を広域連合議会に反映していただくために申しあげます。
 その1は「保険料を抑えるよう提案すべきではないか。」と言うことです。
 この制度の特徴は75歳以上のすべて人が保険料を支払わなければならなくなると言うことです。まだ、はっきりと決まっていませんが保険料は平均で月6,200円ということです。現在、年収180万円以下で、子どもなどの扶養家族になっている高齢者は保険料を払う必要がありません。しかし新制度では、こうした人たちも保険料負担が課せられるようになるのです。保険料を世帯単位で徴収する現代のしくみから高齢者個人から保険料を徴収するしくみに変わります。あらたに保険料を負担しなければならないお年寄りは全国で200万人にのぼると言われています。多くの人が新たな負担に不安をもっています。
 そして、この保険料が年金から天引きされることも問題です。保険料が天引きになるのは65歳以上の国民健康保険に加入している人と75歳以上の人のうち年金額が月15,000円以上の人とされています。75歳以上の人の約8割が年金から保険料を天引きされるとのことです。  すでに天引きされている介護保険料(基準額で月4,600円)と合わせると毎月1万円を越える保険料が年金から天引きになります。介護保険料と医療保険料を合わせた額が受け取っている年金の2分の1を超える場合は、医療保険料は年金から天引きしないとしていますが、少ない年金からも最大半分まで保険料として引かれてしまうのです。さらに、保険料は2年ごとに改定されます。高齢者の医療費が増えれば、保険料も値上がりするしくみや高齢者人口が増えるのに応じて、75歳以上の保険料負担率を自動的に引き上げるしくみになっているのも問題です。
 厚生労働省は保険料負担の批判が広がる中、保険料軽減の仕組みをつくりました。夫婦2人世帯の夫の年金収入に応じて均等額部分を軽減。年収153万円までの人は、所得割を免除。また、これまで扶養家族として保険料を負担してこなかった人は「激変緩和措置」として、2年間に限って保険料を半額にするなどです。しかし、わずかな収入の高齢者にも保険料を負担させるしくみに変わりはありません。高齢者人口が増えれば保険料が上がるという、長寿を喜べないしくみ、高齢者の医療費が増えれば保険料が上がるという高齢者が医者にかかることを遠慮せよと言わんばかりのしくみは撤回させるべきではないでしょうか。後期高齢者医療制度の財源は、保険料や国庫負担金のほかに、県や市町からの「補助金」投入も可能なしくみと言われています。一般財源から「補助金」を手厚く投入して保険料の負担を抑えるよう提案すべきと考えますが見解をお伺いいたします。
 2番目は、滞納者から保険証を取り上げないようにすべきではないか。
 ということです。
 後期高齢者医療制度で高齢者の命を軽んじていると強く感じるのは、保険料が払えない高齢者から保険証を取り上げる仕組みになっていることです。
 年金が月に15,000円に満たない人は保険料を自分で納めに行かなければなりません。保険料が払えなければ、保険証をとりあげられ、代りに「資格証明書」が発行されます。資格証明書では、病院の窓口で、かかった医療費を全額、10割支払わなければなりません。月々の保険料が払えない人に「医療費を全額支払え」ということは“病院に来るな“と言うのも同然ではないでしょうか。
 いまは、国保料を滞納しても、75歳以上の人からは保険証を取り上げていません。国保法では被爆者などとともに“保険証を取り上げてはいけない”と定めているからです。ところが昨年の改悪で高齢者がこの対象からはずされたため、保険証の取り上げが可能となりました。
 すでに国民健康保険では、全国で生活苦から、保険料が払えず資格証明書となった人が、病院に行けずに重症化したり、手遅れになって亡くなったりする悲しい事態が続発していと報道されています。保険証の取り上げの対象を75歳以上まで広げる事は貧困で苦しむ高齢者から医療までもうばう事となります。
 先ほども申しあげましたように日本の高齢者の暮らしは、いま極めて厳しい状況におかれています。年金が下がっている中で課税対象の所得が増え、年々増税に次ぐ増税です。後期高齢者医療制度で、滞納して、保険証の取り上げが起こる状況は、月15,000円以下の年金か、介護保険料と医療保険料が年金の2分の1以上になる時です。月額15,000円といえば生活保護基準の6分の1以下の年金です。このような低年金者から保険料を求め、納めたくても納められなくなった時には、保険証を取り上げ、病気になっても医者にも行けなくするというのは生存権を保障している憲法25条に照らしてもあまりにも冷たい制度ではないでしょうか。このような理由から、75歳以上の後期高齢者を対象としている医療制度では滞納者の保険証を取り上げる事があってはならないと強く主張すべきと考えますが見解をお聞かせください。

 3番目に、医療内容の制限になる制度には反対の声を上げるべきではないか。
 ということです。

 厳しい保険料の取り立てを行なう一方で、75歳以上の高齢者が受けることができる医療は制限する。こんな「差別医療」の導入が検討されています。
 厚生労働省は「後期高齢者の心身の特性などにふさわしい医療が提供できるような新たな診療報酬体系を構築する」として高齢者を75歳で機械的に区切り、75歳未満の人とは異なる診療報酬を設定します。「心身の特性などにふさわしい医療」のほんとうのねらいは「高齢者にお金をかけない」ということです。
 社会保障費抑制の推進役を担ってきた政府の経済財政諮問会議で日本経団連の御手洗富士夫会長が「医療コスト削減のためには、診療報酬全体の水準を厳しく見直す必要がある。特に、08年度からの後期医療制度は高齢者医療を中心とした医療費の増大が見込まれており、導入当初から包括払いを基本とした制度設計が大事ではないか。」と強調しています。
 「包括払い」とは、病気ごとに治療費の上限が決められる「定額制」のことで、その範囲しか保険の効く医療が出来ないため、治療や検査の回数が制限されます。病院にとっては、制限を越えた治療は持ち出しになるため「高齢者には手厚い治療ができなくなります。」そして高齢者の病院追い出しにもつながる、
 「姥捨てや山だ」との批判があがっています。このような、医療内容の制限につながる「後期高齢者のみを対象とした診療報酬の設定」には、反対の立場を表明すべきと考えますが見解をお聞かせください。

2.介護保険制度の問題点について

 訪問介護サービスの最大手・コムスンの不正が発覚しました。訪問介護事業を開設する際、実態の無いヘルパーの名前を届けるなど虚偽申請をした事件です。悪質な業者には、相応の処分がされてしかるべきですが、いまの介護保険制度の中で、今回のような事件が再び起こらないと言えるでしょうか。
 全日本民医連の林 泰則事務局次長は雑誌の特集で「利益と株主配当を目的とする営利企業を公的サービスに参入させる制度が問題です。営利企業には地域の高齢者の介護に責任をもつという発想は無く、市場原理にもとづく営利性と介護に求められる公共性とは相容れないものだ」と指摘しています。
 いま介護を支えているのは大手でなく、地域に根ざした多くの小規模事業所ではないでしょうか。国が介護給付費を押さえ、介護報酬が引下げられる中で職員の賃金が改善されません。介護労働安定センターの17年度の実態調査では平均賃金43.5歳で月給平均172,400円です。労働条件が低すぎて人材確保が深刻な事態を迎えています。高齢化はこれからももっと進みます。安心して老後を迎えるために介護制度の充実は欠かせません。介護報酬の引き上げと共に重い利用者負担を軽くするために、国は介護に税金を使うべきです。
 介護保険は国の制度の中ですが、市民の暮らしを守るために当市としての裁量を発揮して改善を図っていくべきとの立場で申しあげます
 1番目は介護保険料について です。 昨年4月から、第3期介護保険料が全国9割以上の自治体で引き上げられました。65歳以上の人の保険料の引き上げ率は、全国平均で24%を越え、基準額(本人非課税)は4,600円となりました。昨年から、年金課税強化が行なわれ、これまで非課税だった人が課税になると合計所得が200万円未満でも月に1,150円、年額では13,800円の負担増になります。1カ月の可処分所得が約166,000円の年金世帯から、夫婦で月額11,500円の介護保険の負担は重すぎます。介護保険料違憲訴訟でも、低所得者層の負担が重い不平等な保険料の段階設定が問題となりました。第3期介護保険の改定では低年金者の軽減と高額所得者の多段階化への是正が期待されました。しかし、5段階から6段階になったものの生活保護基準以下の年金受給者に対する保険料徴収問題は改善していません。介護保険が脱退できない制度であることからも、低所得者層の負担軽減をはかった保険料になるよう段階設定を見直すべきと考えますが見解をお聞かせください。
 つぎに2)介護認定についてです。
 厚生労働省が8月23日に発表した2006年度の介護給付費実態調査によると介護サービスと介護予防サービスの利用者数は、前年度より10万2,800人減って計429万5,600人になりました。利用者数が減ったのは2001年度の調査開始以来はじめてといいます。福祉用具の貸与件数は前年度比8.0%減の3771万5900件。内訳は車イスが1.5%減の491万6900件、介護ベッドが16.6%減の689万3600件でした。介護保険を利用しなくても良い元気な高齢者が増えた結果ならばうれしいのですが実状はどうでしょうか。
 私に、介護保険を利用しておられる男性から電話がありまして、『要支援1』へ認定変更の通知がきた』と不安そうな声でしたので、その方の自宅を訪問いたしました。 91歳で一人暮らしですが、じん臓摘出手術を受け、術後の治療に通院している。足が痛いので別の整形病院で治療受けている。また、内科でも高血圧の治療しているという3ヶ所の医者に係っている人です。
 日常生活が困難なので介護認定を受け、要介護1と認定されました。火・水・木・土・日の週に5回、1回に付き、1時間30分のヘルパーを頼み、電動車イスを借りてきました。じん臓の食事療法なのですが車椅子を使って市場に買い物に出かけ、自分で調理し、ヘルパーにはたのんでいません。
 要支援1になると1ヶ月のサービス支給限度額が49,700円となります。それ以上は全額自己負担。その上施設サービスは利用できません。ヘルパーの利用も週2回まで、車イスも認めず、介護保険外です。
 年金収入だけなのでこれ以上の出費は出来ません。これまでと同様のサービスを受けながら、通院で自宅療養の暮らしが出来るよう「要介護」に戻してほしい。ほんとうに切実な願いです。90歳を過ぎたおとしよりです、「年々身体が弱っていると自覚しているのに、なぜ状態が軽くなったと見なされたのか。納得できないという切実な訴えでした。  その後の新聞報道でわかりました。厚生労働省の調査で介護保険の利用者のうち、今年4月時点で「要介護1−5」と認定された人の数が、1昨年と比べて約56万人も減る一方、介護予防サービスを利用した「要支援1−2」の人は67万700人と15倍に増えていました。
 自民党・公明党の与党と民主党まで賛成して昨年4月から実施された改悪介護保険法で給付が抑制された結果です。「予防重視」を名目に介護給付とは別立ての「新予防給付」が創設されました。それまで「要介護1」だった人は認知症の人や病状が不安定な人を除いて原則として「要支援2」にランク下げした結果必要なサービスが切捨てられているのです。介護保険は払っても利用するのは20%と言われています。介護認定が介護サービスの利用を抑えることになっています。当市の介護認定変更の状況をお聞かせください。認定が軽くなった人は何人でしょうか。重くなった人は何人でしょうか。
 介護認定の著しい変更は高齢者にとって、毎日の暮らし方に大きな影響を与えます。認定変更の通知に当たっては、暖かい配慮が必要です。認定変更の理由や本人に生活に支障がないか聞き取るなどこれまでのサービスに代る暮らし方のアドバイスが必要だと思うのですが認識をお聞かせください。

以上で壇上からの質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。

再質問*要望を致します。後期高齢者医療制度については、市民への周知、特に75歳以上の人、65歳以上の障害者などへのていねいな説明がされるように要望します。介護保険については、保険料は払うが利用料が払えず、介護保険が使えない事がないよう制度の改善をはかっていただきたいと要望します



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