市議会報告

年4回の定例議会と7〜8月に開かれる臨時議会の概要を報告します。
民報かこがわ」で詳しく報告しますので、そちらもぜひ、ご覧下さい。

07年9月議会報告


一般質問【山川議員】

 先の参議院選挙は、自民・公明の与党が記録的な大敗を喫するという大きな政治変動の機会となりました。国民から厳しい審判を受けたにも関わらず安倍首相は、国民に痛みだけを押し付ける小泉前政権の「構造改革」路線をさらに進めるとしています。これは国民として許しがたいことで、一日も早い安倍内閣の退陣を求めるものであります。
 このような安倍内閣の悪政から住民の暮らし、安全と健康および環境を守る自治体の役割はますます重要になっており、自治体としての団体意思と自治のあり方を考える時が来ていると思います。

1.「構造改革」路線の破たんについて

 国民は、痛みだけを押し付ける「構造改革」路線を見抜き、これを拒否する意思を示しました。そもそも、この路線の破たんは必然でありました。日本国憲法は、政治の役割について国民に対し、その福利の向上、その幸福の追求を保障するよう求めており、だからこそ憲法は、すべての公務員にこれらを遵守するよう求めているのであります。従って、この憲法を敵視し、自分の在任中にこれらの憲法の理念を破壊する憲法改悪を企てる安倍内閣は、憲法に基づく政治についてはじめから失格であります。その安倍内閣の悪政のもたらした諸問題について、自治体として必要な是正の施策を採るよう求めて質問するものであります。

1)国民の審判受けた「増税・負担増」政策の是正について

 「構造改革」路線はこの間、配偶者特別控除と老年控除の廃止、年金控除縮小、個人住民税均等割増税、65歳以上高齢者の非課税措置の廃止と立て続けに低所得層ほど増税となる庶民増税を続けた上、住民税は5〜13%というただでさえ低い累進税率を10%一律にしました。これについて所得税の一部を地方譲与するもので、税金負担は変わらないと政府が宣伝しましたが、低所得者は増税、金持ちは減税という事実をかくすものでした。
 所得税の最高税率は1983年までは、8000万円を超える所得に対し75%でした。これが1999年からは1800万円を超える所得に対し37%に減税されています。1億円の所得がある富裕者を例に取ると、この間に7500万円だった所得税が3700万円になるという大幅な減税です。1989年に導入された消費税は、低所得者ほど負担率が高いものですが、今までに総額約180兆円もの膨大な税金が奪われています。一方、大企業を中心とする法人税は同じ期間に約170兆円も減税されており、庶民増税と消費税は大金持ちと大企業の利益にされただけというのがこの間の実態でした。
 そうした中で、定率減税の廃止は、さらに低所得層を直撃しました。今度の審判はこういう増税に対する明白な不信任であります。政治に関わるものは、この国民の声に応える義務があります。
 もとより、国政において是正されるべきですが、安倍内閣を退陣させ国民の声に耳を傾ける内閣を待つ以外に無く、当面は安倍内閣および同類内閣の悪政に対し、自治体として理不尽な増税に苦しむ住民の負担軽減に全力を挙げるべきと考えるものですが、この問題に対するご認識と御所見をうかがいます。あわせて、先の議会で表明された要介護認定者への障害者控除適用の基準作りについての検討はどうなったのかお答え下さい。

2)「滞納」の背景をなす貧困化と格差拡大について

 保育料や給食費の滞納が増え、テレビや新聞マスコミで一部悪質な例を取り上げて国民間の「不公平感」をあおっています。これは、住民の間に反目を生み出すとともに負担増の原因をかくす作用をしています。教育の現場でも失格教師のレッテル張りや、モンスターペアレンツなどと学校へ苦情持ち込む親たちを非難するなど親と教師を対立させる議論もマスコミで横行しています。これらには、根源的な政治の問題から目を逸らさせる悪意ある世論操作を感じています。当市でも、一部の悪意ある高額滞納者が長年放置されてきた一方、この問題が明るみに出されて是正がすすむ一方で、「滞納」のすべてを悪質視して「負担の公平」を声高に唱え徴収を強化する傾向がみられます。「滞納」すべてを悪質としていいのか。決してそうとは言えません。多くの住民の貧困化とそのもとでの格差拡大が背景にあります。先に申したように低所得者ほど負担がふえる一方で大企業と金持ちは負担が劇的に減っている。要するに弱者から取り上げて強者に分け与えるという逆立ちした税制を軸に、所得再配分で政策的に貧困化が押し付けられ、格差が広げられているのであります。私は、滞納の背景にこういう貧困化の問題があると指摘するものですが、御所見と対応をお聞かせ下さい。

2.地域医療の充実について

 先日、奈良県でまたも産婦人科に関わる悲劇が発生しました。この事件は、地域医療の充実と救急体制の整備、救急と医療の連携は、住民の生命と健康を守る自治体のもっとも重要な役割のひとつであるということに思いを新たにさせるものです。奈良の事件では被害者の無念さと怒りは当然ですが、救急と医療の現場のスタッフの皆さんの悔しさ無念さもテレビ報道から伺えました。私たちの地域でも様々な形で医療と救急の困難が現れており、現在は現場の関係者のみなさんのご努力で地域医療が支えられているところです。

1)県立病院移転に伴う加古川町中心部の医療確保について

 県立加古川病院がいよいよ移転となりました。当市の中心部、加古川町の中心部に総合病院が無くなるという医療の空白、総合病院の空白を招く恐れが現実のものとなりました。先日、当市は、望ましいあり方として加古川町中心部の医療を確保する構想を発表し、県等に要請していくとしています。加古川中心部の総合的な医療の空白を作らないために大いに力を入れていただきたいと願うものです。そこで、その見通しと現状はどうなっているのか、この際、明らかにし、地域住民および関係機関とともに地域医療を守る運動にしていくべきではないかと考えます。御所見を求めます。

2)産科・小児科・内科の医師不足の問題について

 加古川市民病院が地域の産科・小児科の要として大きな役割をはたし、現在のところ大きな問題は表面化していません。しかし、これは医療スタッフをはじめとした関係者の非常なご努力で支えられているものであります。しかし、医師不足は深刻です。地域医療の崩壊といえる状況が生まれています。その主な原因は国の医療破壊政策です。医療から国民を締め出そうとしている。アメリカのムーア監督が「シッコ」という映画を作りました。この題名は「ほとんどビョーキ」という侮蔑の意味だそうです。この映画で、国民皆保険制度の無いアメリカの民間保険加入者の悲劇が描かれています。生活を圧迫する高い保険料を払っていても、いざ病院にいく必要が生ずると保険金が支払われず、治療を断念するか莫大な借金を背負うかの立場に立たされる。医療費無料の国と比べて目を覆う世界超大国の実態。これを「ほとんどビョーキ」と告発しているのです。
 安倍内閣は、このアメリカ型の医療制度を見習おうとしています。医師数は先進国中最低。GDPに占める医療費総額も同様です。この根本を変えずに医師不足の抜本的解決はありません。これらのため、市民病院でも内科の医師が不足して定員が確保できず、診療に支障が出ているとも聞きます。この問題も国の悪政に対し自治体としてどうするかが課題です。市民病院の現状の説明とあわせ、この問題に対する御所見をお聞かせ下さい。

3.神戸製鋼所等の公害問題について

 神戸製鋼所での大気汚染防止法違反、データ改ざん事件を契機に加古川の環境と住民の健康をあらためて見直すこととなり、議会に特別委員会が設置され問題の調査と解決の取り組みが始まりました。ところが、その端緒を開きつつあるときに特別委員会は議会の多数で廃止されてしまいました。これは議会としての姿勢が問われるものであることを、この機会に表明しておきます。
 先月8日に東京大気汚染公害裁判が和解で決着しました。その内容は、東京都は、ぜん息医療費負担の救済制度を創設すること。国と東京都は、新たな公害対策を行うこと。トヨタ自動車など公害企業は解決金を支払うこと。等々画期的とされる内容です。しかし、提訴から11年。被害者の苦しみは拡大しました。今回の当議会の特別委員廃止は、住民の公害被害に対して、議会として正面から向き合わず裁判しかないといった議論にみられるような無責任なものとなることを、この事件は示していると思います。
 さて、先日の福祉厚生常任委員会での所管事務報告に、環境保全協定細目案なるものが報告されました。本来、特別委員会に報告されるべき内容であり、内容にも問題点があります。私は、日本共産党の特別委員会委員としてこの問題に関わってきたものですが、特別委員会の場での審議ができなくなりましたので、今後は一般質問等でこの問題を徹底追及していく所存です。

1)公害防止協定の改廃の持つ問題点について

 公害防止協定を改廃して、新たに環境保全協定を締結する予定とされていました。ところが、今回、福祉厚生常任委員会にその協定の細目が報告されています。しかも、報道によれば市当局は今月中に協定を締結するとしています。これは、一体どういうことか。議案として議会審議を経ることなく、住民の環境と健康に重大な影響をもつ協定を締結するという団体意思を議会に諮らず決定するなどというのは、議会無視も甚だしいではありませんか。
 しかも、その内容ですが、細目協定の改廃内容を見ると、硫黄酸化物と窒素酸化物の総量規制値はそのまま変化なし。26年前と同じ値です。どのように吟味されたのか。一方で主要施設ごとの排出量規制値は全部削除されています。これらに対するご説明とご見解を求めます。

2)住民の健康と環境を守る施策について

 今度の協定案は、問題が発生した場合、市が操業停止を命ずることができると言われています。しかし、これは実効性が極めて疑わしいと思います。操業停止を求めるに際して、どういう状況を想定しているのか明らかにしていただきたいと思います。次に、PM2・5の測定準備はどうなっているのか。この問題が取り上げられ、理事者も明確に準備に着手するとされながら、未だに何の報告もありません。一体いつになれば測定データが示されるのか。また、特別委員会の一致した意見である住民の全面的な健康調査、疫学的な調査について、どう受けとめているのか。新たな協定を締結するに際して、この問題をどう位置づけているのか明らかにしていただきたい。これは、当市として、住民の健康と環境を守る姿勢が問われるところであり、明確かつ責任ある答弁を求めるものであります。

以上




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