市議会報告

年4回の定例議会と7〜8月に開かれる臨時議会の概要を報告します。
民報かこがわ」で詳しく報告しますので、そちらもぜひ、ご覧下さい。

07年12月議会報告


一般質問【広瀬議員】

ただ今から一般質問を行ないます。よろしくお願いたします。

 はじめに妊産婦の健康診査助成制度の拡充を求める立場で質問させていただきます。
 奈良県で起こった妊婦が救急搬送されても受入先が決まらず、死産となり尊い命が失われた事件は、ほんとうにショックでしたが、その原因の一つが妊娠しても産科にかかっていなかったことがわかりました。その後、陣痛まで1度も健診を受けていない未受診分娩が増えつつあることも報道されています。
 その原因は不安定雇用の増大です。労働法制の規制緩和によって、男性にも、女性にも不安定雇用、長時間労働が広がり安心して子どもを産み、育てる経済的な土台と共に、子育ての時間を奪っている事が明らかになりました。
 ある新聞の記事ですが「日本医科大学中井教授」の話として妊婦健診の重要性について次のように述べられています。『 妊娠健診では、母体と胎児の健康を守るために不可欠な検診がおこなわれます。超音波検査は子宮外妊娠や胎盤の位置、子宮筋腫、子宮ケイガンなどがチェックされます。 血液検査では、血液型、貧血、糖尿病、血が止まりにくいかどうかなどを調べ、感染症(梅毒・B型・C型肝炎、HIV=エイズなど)の検査もしています。母体や胎児の異常を早期に発見できれば、予防も治療も可能です。未受診で出産した場合、出生児の死亡率は全国平均で15倍になるなど非常に危険率が高いことが調査で解かっています。日本医科大学、多摩永山病院で過去10年間に妊婦健診を受けることなく救急搬送や飛び込みで出産した41例についてみると死産2人、生後間も無い死亡2人で、死亡率は10%にもなります。健診を受けなかった理由は「経済的理由」が12人、「妊娠に気づかなかった」8人、「家庭の事情」6人、「気づいていたが放置」5人など経済的理由や近くに産科が無いなど受診しづらい事情があります。しかし、妊娠に気づいたら、まずかかりつけ医を持つことが大切です。妊婦には、危険性の無い状態というのは無いから』と指摘されています。 また、NICUの設備の無い病院が、救急搬送の未受診妊婦を受け入れるのは困難である。それは、正確な妊娠週数もわからず、情報が何もない状態では、適切な判断が出来ずに両者の命が救えない恐れがあるからです。
 また、妊婦が感染症の場合、赤ちゃんはもちろん、医者、助産師、看護師も危険にさらされます。救急の場合、感染を防ぐ準備をするのも大変です。
 定期的な健診の結果が緊急時にも重要な判断材料になりますので妊婦健診は大変重要です。
 今年1月に厚生労働省は自治体に対して「妊婦健康診査の公費負担の望ましいあり方について」という通達を出しました。その冒頭で「近年、高齢やストレスなどをかかえる妊婦が増加傾向にあるとともに、就労等の理由により、健康診査を受けない妊婦も見られるところであり、母体や胎児の健康確保を図るうえで、妊婦健康診査の重要性、必要性が一層高まっている」と述べています。
 そして、少子化対策の一環として、妊娠中の健診費用の負担軽減が求められており、妊娠・出産にかかる経済的不安を軽減し、少子化の解消の一助に資するとともに、積極的な妊婦健康診査の受診をはかるため、妊婦健康診査について自治体における公的負担の充実を図る必要性が指摘されているところである。このため、平成19年度地方財政措置で、妊婦健康診査も含めた少子化対策について、総額において拡充の措置がなされ、各市長村において、妊婦健康診査にかかる公的負担について相当回数の増が可能になることから積極的な取り組みが図られるよう周知徹底をお願いする。」としています。
 現在、加古川市の妊婦健康診査費助成制度は昨年7月から始まりました。その内容は、妊娠22週以降の妊婦健康診査の費用の一部の助成であり、助成額は上限15,000円、1回限りとなっています。最近、出産を経験したお母さんに費用を聞いてみますと健診費用は1回5,000円くらい、血液検査を行なうと1万円から15,000円かかることから若い夫婦には重い負担となります。
 厚生労働省が自治体に通達を出してから、妊婦健診の公費負担を拡充する自治体が増えています。
妊婦が受けるべき健康診査の回数については、

  1. 妊娠初期より妊娠23週(第6月末)までは4週間に1回
  2. 妊娠24週(第7月)より妊娠35週(第9月)までは2週間に1回
  3. 妊娠36週(第10月)以降分娩までは1週間に1回

としています。しかし、財政厳しき折からこのような公費負担が困難な場合、健康な妊娠、出産を迎える上で最低限必要な妊婦健診は5回と考えられことから、経済的理由により受診をあきらめる者を生じさせないため、5回程度の公費負担を実施することを原則に14回が望ましいと考えられる。としています。東京・台東区では来年4月から14回の助成(無料化)が決まりました。
 また、愛知県豊田市では10月から5回、来年4月から14回の助成(無料化)が実現しています。福井県は「福井3人っこプロジェクト」事業で子育て世帯の経済的負担を軽減するため3人目以降の子どもについて妊婦健診14回分無料、子どもの医療、保育にかかる経費原則無料などのきめ細かな施策を実施して2005年度全国で唯一出生率がプラスに転じたと話題になりました。
 当市でも、子どもプラザの開設や子育てサポート事業などの子育て支援は進められていますが妊婦健診は最初の支援策として重要です。
 以上のことから

  1. 妊産婦健診の重要性についての認識をお伺いいたします。
  2. 妊産婦健診の無料化について 厚生労働省の通達をうけて、どのように検討されているのか、当市の取り組みについてお聞かせください。

 3番目に高齢出産、妊娠ストレスなど「妊娠は病気ではない」といわれるが病気になりやすい状況に置かれている。妊婦の健康を考え、医療の無料化に取組むべきではないか。お考えをお聞かせください。
  11月5日に発表された兵庫県の「新行財政構造改革推進方策」(新行革プラン)の原案(第1次案)には、県民向け施策の切捨て、市町への負担増、県職員3割削減など来年から11年間に1兆3,000億円規模の事業削減が盛り込まれています。その中に、全額県費負担で行なわれていた「妊婦健康診査費助成」の2分の1を市町負担にすることも含まれております。
 妊婦健診の重要性にかんがみ県事業のさらなる拡充が求められる時に「妊産婦健康診査費」を削減する事は、到底認めることはできません。
 加古川市は情報提供を求める意見書を提出したと報道されていますが、市民の暮らしや命にかかわる施策の後退を許さない立場で対応していただきたいと切にねがうものです。

 質問の2番目は「加古川市民病院の地方独立行政法人制度の導入反対について」です。
 10月19日の福祉厚生常任委員会に加古川市民病院の地方独立行政法人化が検討されていることが報告されました。
 経過として「第3次行革緊急行動計画」のなかで病院事業の「地方独立行政法人制度の活用の検討が掲げられ、これに基づいて制度の検討を重ねてきたこと、そして、法人化の目標時期を平成21年4月。法人の種別は特定地方独立行政法人(公務員型)としています。
 加古川市民病院は、私たち特に加古川西部の市民にとってたよりになる、大切な医療機関です。周りにはたくさんの開業医がありますが入院・手術の設備が整備されている病院は少なく、市民病院が頼りです。開業医では医薬分業が進む中、窓口負担が高くなっています。そんな中、「市民病院は治療代も薬代も安いのでやっぱり、市民病院がいいよ。」これが市民の声です。
 検討趣旨にも述べられているように「加古川市民病院は周産期医療の拠点病院であること、小児救急医療をはじめとする救急医療の役割りが非常に大きいこと、手術棟を建設しさらなる先進医療に取組もうとしている地域医療の中核病院で」す。近頃、多くの公立病院において経営状況が悪化するとともに、医師不足に伴い診療科目の廃止、縮小を余儀なくされるなど医療サービスの供給が厳しい状況におかれているなかで、加古川市民病院は、地域医療の充実に向けて着実に取組んでこられ、経営状況も黒字で運営されていることは高く評価しているところです。こんな市民病院を「地方独立行政法人」にする必要があるのでしょうか。国や地方自治体の公共サービスの目的は何よりも国民・市民の暮らしと福祉、生命の安全を守ることであり、行政改革というならば、そのために施策や制度をどう改善・充実するかを基本にした取り組みが大切ではないでしょうか
 総務省が発表した「公立病院改革ガイドライン」(案)によると「経営の効率化を図り、持続可能な病院経営をめざす」という考えを持っています。
 これらは、当然のことのように思われますが「公立病院改革ガイドライン」(案)は「民間病院並みの効率性」をかかげています。目標達成に向けた具体的な取り組みとして、民間委託の活用、職員給与体系の見直し、契約の見直し、未集金の管理強化、競争性の導入、未利用財産の活用、医業外収益の増加などの取り組みをあげ、どのような取り組みをどの時期に行なうのかも明記するよう求めています。加古川市が目指す公務員型の特定地方独立行政法人も「効率的な運営」として、民間委託の活用、職員給与体系の見直し、契約の見直し、未集金の管理強化、競争性の導入、未利用財産の活用、医業外収益の増加などの検討が求められることになります。職員の労働条件の見直し、勤務体系の見直しが強行されれば、労働強化で看護師の退職が増え、さらに、労働強化という悪循環がおこらないか、また、看護師の人員不足は、患者にとっても医療サービスの低下につながることにならないか。また、未集金の管理が強化されることは大阪・堺市の新金岡豊川総合病院で起こった全盲の男性患者を公園に置き去りにしていた事件を思い出します。
 いまの診療報酬制度は、長期に入院している患者の診療報酬は大幅に下がることから、長期入院患者は病院にとって負担が大きくなることが背景にあることがわかりました。その上に未集金の管理が強化されればその対策に追われることになり、患者の対応も変わるのではないでしょうか。心配です。この病院では、8月にも、糖尿病で入院していた患者も行き先を決めずに退院させていたことが明らかになっています。市民病院では、まさかこのような、どこにも行くところが無い患者を公園に捨てるなどということは、なさら無いと思いますが、病院の効率的な運営を追求すれば、こんな事も必要にせまられる事態もおこらないか心配です。
 また、国が進める地方独立法人化は非公務員型ですが加古川市の「地方独立法人」は公務員型としています。県とのすり合わせのなかで非公務員型への変更を求められるのではないですか。病院職員の意見はどのように集約されていますか。以上、市民が望む、安心して暮らせる「地域医療の充実のために」公立の市民病院として引続き運営されるよう求め当市のお考えをお聞かせください。以上で壇上での質問を終わります。


再質問:

 新たな少子化対策のあり方を検討する政府の「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議(議長・町村官房長官)がまとめた報告書の原案が明らかになり「子育てと仕事の両立などを実現できる基盤整備などについて、安全・安心な子どもの居場所確保などとともに、妊婦健診支援、などの項目があり妊婦健診を公費で支援していく方向が当たり前になってきているとかんじます。加古川市の取り組みを強めてほしいです。
 それと、現在は、妊娠22週以降の妊婦健康診査の費用の一部の助成であり、助成額は上限15,000円、1回限りとなっています。 もっと、使いやすくするために1枚1,000円の受診券にするなど、15,000円分を有効に、自由に使えるように出来ないでしょうか。一回限りというのも変えてほしいところです。
 回答をお願いします。
 市民病院の地方独立行政法人化計画の中止を要望して、質問を終わります。


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